とうめいなたべものをさがしにいく

しゃしん・しぜん・たべもの・くらし・そのた雑記

つげ義春に引っ張られる(0315)

20180304050849

つげ義春氏の漫画にハマっている。全集や文庫作品を読みふける今日このごろ。作品をつつむ静かな呼吸に手招きされています。じわじわっと侵食されて気づけば脳みその中央まで溶けている、というふうな心の奪いかたをしてくる。ゆっくりと誘惑され、しみじみ夢中になっていくふしぎなハマり方をしている。

ところで、シビれるくらいオシャレでイカしたサブカル雑誌(語彙力)『スペクテイター』も今号は頭の先からつま先までつげ義春特集である。あわせて購入した。漫画を30年以上描かずメディアにも露出せず、何をしているのかわからないつげ氏。そんななか巻末に載っている本人の“しぶしぶ最新インタビュー”はめちゃくちゃに貴重だと思うが、「つげ氏の生声だっ」と高まる編集部や読者をよそに、人生のともしびを消したがっている氏の軽快かつ絶望的な言葉たちね。面食らいながらある種の境地を見るのであった。

しかしあの無気力さ?には妙な引力があり、心を引っ張られてしまいそうになる。読んだ瞬間は「いやそんなん言わんと」と悲しくなったが、なんだか時間が経つごとに正体のわからない説得力をもってわたしの胸を脳をノックしてくるのだ。すると、心の奥の扉のかんぬきが外れて、確かに人生なぞどうだってよいなぁあやっほーとなってしまう。人の封印をするりと解いてくるこの80代のおじさんは何者なの。生に対する執着や主体性が消えてもなお、他人の心をつかんだり巻き込んだりできる人はそういまい。やはり彼はいまだ選ばれているのだ、本人が嫌がろうと。

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